独りじゃ生きられへん

独活(うど)初収穫。

 

今年も、千提寺farm中井家の独活の収穫がはじまりました。

スモールの店舗のあるにんげん小屋「みずとわ」の理事の中井家。

去年は、引っ越しからこっちの生活のあらゆること、店のことなどなど、いつも頼りになる中井家。

 

独活の収穫は年に一度、この1か月だけです。

三島独活は、最後の生産者の方から中井さんが引き継ぎ、今では考えられないような手間のかかる方法(江戸時代から続く伝統農法)で育てています。去年も独活小屋の見学はさせてもらったのですが、そして話も聞いていたのですが、今年は芽を植え付ける春から独活の様子を見てきて、あらためてすごい農法やなぁと、ようやるわと感心するしかありません。

春に独活の芽を植え付けて育てる。

独活小屋を建てるために田んぼをして、手刈り。

独活小屋を建てて(連作するから毎年)、育った独活の上を刈り取り芽だけを独活小屋に敷き詰めて、その上に藁・干し草を7層にしてその都度水をかけて。

その発酵熱で、独活に春が来たと思わせて芽を出させる。

日々、昼夜問わず温度管理をして、今日を迎えました。

 

一般的にはハウスで電熱線などを使って保温したり、ホルモン剤を使うそうですが、自然のエネルギーを利用して地域で継いできた方法を守っています。無駄もごみも出ない。ただ、失敗したりリスクはたくさんある。

 

今年は気温が安定しなかったので、ちょっと厳しいなと、夕方おうちにお邪魔したら不安顔のふたり。でも、ふたりのまわりには見守る仲間がたくさんいて、きっとどうなっても守られるんだろうなと思いました。

 

 

 

 

 

独活小屋建てる前。

こないだまで田んぼしていた所にたてます。

大晦日、せっせと芽(根?)を独活小屋の中に敷き詰めていました。

タコをぎゅうぎゅうに敷き詰めてるような光景で衝撃的。

1月、藁と干し草を7層重ねて水をかける。その上に重い石をのせる。

藁や干し草のかける具合も、大ちゃんにしかわからない・・。

 

この後はずっと温度管理。細かく温度計が差し込まれていて、場所によっても温度が違います。

早く伸びても良くないし、遅くてももちろんダメだし、はじめの頃収穫するのと後のものとも管理の仕方が違う。どうやってそんなことこんなアナログな方法でできるんだろうか・・。

すでに2代目の風格のかんちゃん。

みなさんへのご挨拶から、試食を配ったり、独活を切ったり。

そんなかんちゃんの姿と、夫婦が一生懸命お客さんに状況を説明したりしているまっすぐな姿を見て、私はずっとウルウルしていました。

中井さんたちには株主(独活の株)さんたちがいて、収穫時期には独活をもらえるのはもちろん、こうして収穫や栽培中の作業も一緒に体験してもらっています。収穫期の最後には、お食事会もあり、今期の独活の報告などもあるそうです。

中井家のファンは多くて、「生産者と消費者」というのを越えた関係の中で、助けたり助けられたり、応援し合える関係を自然と築いています。

農産物が、他の工業製品のように商品としてお金と交換するものであることに私は違和感があります。

そういう意味でも、こうしたコミュニティの中で価値の交換ができるというのは素晴らしいなと思います。

「独りじゃ生きられへん」独活。みんないっしょ。

 

独活が収穫できるのは約1か月。

スモールでもご予約いただければ独活を購入できます。

 

三島独活

1キロ(約6-8本)5500円(税込み)

季ごころ廣さんのレシピ付きパンフレット付き

スモール店舗、または移動販売先でも受け渡し可能です。

予約注文のみですので、ご希望の日程をお伝えください。

 

1年ぶりの独活の味は、さわやかで甘くて春を呼ぶ香りいっぱいでした。

あー書いててまだ涙でる。