· 

かわいいひと

新しい年になりましたね。

今年もよろしくお願いいたします。

 

年末は雪になるとのことでヒヤヒヤしましたが、そんなにひどくならずほっ。

ジャンボサイズのレモンをたくさん受け取ってしまい、年末はその作業に追われ(マーマレードになりました!)、そして店長むぎが行方不明になってオロオロしたり、でもなんとかいろいろ済ませて、きちんと棚卸もできて年を越しました。

 

去年は本当に幸せな年だった。

大きな変化はあったし、世間的にもそういうことを言ったら不謹慎なのかもしれないけど、それでもブレずに流れている確かなものを信じていられたということ。貴重な体験でした。

 

年末にラジオを聴きながら作業してたら、ウルフルズの「かわいいひと」がかかってて、お母さんこんな曲作ってもらえて幸せやなぁと思って聞いてた。

 

よく意外だと言われるけど、私の母はあまり料理が得意な人ではないし、私が子どもの頃は好き嫌いが多くて(私は何でも食べれた)みそ汁とかそういう基本的なものをあまり作ってもらった覚えがない。朝は菓子パンで、朝ごはんに母はおらず。

お母さんはいつも仕事優先。

シングルマザーだったこともあって、それを理解しているかしこい娘であるように振舞った。そうやって大きくなったから、大人になってから余裕ができた母が甘えるのが嫌だと思うようになった。今更私も甘えられへんし・・と思ってた。

お客さんが同じようなことを話してて、

「娘にちょっとくらい甘えなさいよって言ったら『甘えなくていいように育てたのはお母さんでしょ。』って言われた」と。

そんな娘心。

 

今日は一応年明けのご挨拶に実家へ行って、母なりに手料理をふるまってくれた。

白和えとか今まで作ってもらったことないものを作ってる。だけど、カニかまとか入ってて謎。キッシュも料理番組のレシピを見て作っているけど兄には不評だとブツブツ言っている。

「アンタの店のこと調べようと思ってパソコンで見たら、最近ハトのマークのが出てくるけど、あれ開いても見れへんねん。」

ハト・・・ツイッターのマークかな。

 

今日はじめて「かわいいかもしれない」と思った。

 

今年40の娘と、今年70になる母。

そろそろお互いにいい年になってきたんやなぁ。

 

私にはもう一人、父が再婚した母がいるけど、その母はお料理上手。

私がとても辛い理不尽な思いをして傷ついていた時に「あなたは自分を誇りに思いなさい。あなたは立派な人。」と泣きながら味方になってくれた人。

 

血のつながりはなくても大切にしてもらえる人がいたということが、自分の大きな支えになっているってこの年になって思う。

私は子どもがいないけど、この母も子どもができずに前の旦那さんと別れて、それから私の父と再婚した。

小学6年生になっていたけど、私はこの母が大好きで、再婚したのがとても嬉しかった。

だから、実の子がいなくても、どんな形でも子育てはできるって思える。今の場所で私が本当にやりたいことはそれだと思ってる。子育てだけじゃなくて、社会の中で生きづらさがあるような人たちも、みんな一緒に過ごせる場所をつくる。

 

今思えば、いつも恵まれていた。そして今も。

求めず、与えられているものをきちんと受け取れる、新たな年になりますように。