
かたよらない
とらわれない
こだわらない
実家に帰った時カレンダーにあった言葉。
おーー。ゆるむなぁ。
うちみたいな店をしていたら、お客さんとか取材に来た人によく言われるのが
「こだわったものを置いてるんですね」
っていう言葉。
そのたび「こだわり」ではないという話をするのが難しいけど、それはとても大事なことで。頑張って話す(話すのが得意じゃないので)。
ありがたいことに店をはじめてから、生産者さんを探すっていうことをほとんどしたことがないんです。自然に知り合ったり誰かに紹介してもらったり、むこうから声をかけてもらったりしていて。
ちいさい店だから増やしても困るので、私は最小限で十分って思っています。
small enough
英語でbig enough という言葉があるけけど、十分大きいみたいな意味。これ入れるのにこの袋でいい?十分大きいよ、みたいな。
それの逆で十分ちいさい。ちいさいことは大事なんです。
ちいさいことできちんと商品だけじゃないことが伝えられる。
その人のこと、その人の暮らしのこと、地域のこと、どんな思いでいるかということ。それを受け取れる店でいたいなと思っています。
「無農薬のものを置いてる店」みたいに言われることがあるけど、そうやって生産者さんをこちらが選んだことはないし、実際厳密には全てのものがそうだとは言えない。無農薬だとか、何かの数値とかではなくて、私は応援したい人・会社のものをお客さんに知ってほしいと思っているだけで、それが結果的に「無農薬のもの」になっているだけ。
「身体にいいもの置いてるんですね」みたいに言われるのも正直違うなって思っています。
そもそも身体にいいものも悪いものもないと思っているし。
いつか農家さんに「生活がきびしいから農薬使ってみようと思う」って言われたら、それを受け止められる自分でいたいとずっと思っています。(ただ、その人の健康が大事だし、それに土が汚れるのも悲しいので、全力で何か違う方法はないかと相談にのりたいと思います。それに、やりたくないことをやる、という選択はしてほしくないので。)
結局こだわってるんやん!て感じになるかもしれないけど、大事なのは消費者目線でのこだわりではなく、作っている人を大切にできること。今は何でもお金払ってサービスと変換する時代だけど、食べ物を作るってお金以上に価値のあることだと思っています。
それを内田樹さんは「糧(かて)」と言うのだと書いていました。農作物は商品とは違うのだと。
農家の佐武くんが「おひさんが作ってくれてる」って言ってたことがあります。おひさんも雨も土も農家さんも、草もかえるもみんなで育てているもの。たしかに他のものと同じものさしでやり取りできないなと思う。
土が遠くなってしまった現代の暮らしにそういう想像力ってとても大切だと思います。
さて、何が書きたかったかというと、カビ問題。
連日の雨で新スモールにはカビが大発生。おそろしいほどのカビ。
毎日畳を全部拭いてもまた次の日には生えている。あらゆるものがカビる。フライパンも調味料のびんも、木の机も冷蔵庫も食器棚も。
古民家暮らしの現実がまた一つ・・。
だけど、こういう家でカビが大発生するのはある意味自然なことで、不自然な暮らしになれている現代人がここで暮らすから「大変だ!」ってなっているのだと思う。
週末はみずとわの会議や作業があってみんなが来ていたので、いろんなとこに炭を置いたり掃除したりいろいろと検討。
昔のものが私は好きだから木のものや竹のものが多くて、それはもれなくかびる。
そういうものはかびやすいからプラスチック製品ができてみんなヤッホー!って使うようになったんだろうなぁと簡単に想像できます。
みんなと掃除してても、「プラスチック製品をずっと使うことは悪くない」という話になって私もそうだなぁと。
前の自分だったらそう思えなかったかもしれない。
でも、今からプリミティブな時代の暮らしに戻るのもある意味不自然な感じもする。
今ある暮らしへの疑問。そして、目指す暮らしへのチャレンジ。それをていねいにみんなでできたらなと思っています。簡単に答えを出さず。
とはいえ、私はまだやっぱりプラスチックを生産すること自体に疑問はある。それでないといけないの?
ラップがきれて、買って来てもらった。でも、なくてもやれるんじゃない?
カビがすごくても、エアコンつけっぱなしは嫌だなと思う。これまで適当だった掃除に力が入る。それもまた良いことだった。
ものごとって答えが一つじゃないし、きっとすぐに答えが見つかるものでもないから、じっくりと。
こだわり、とらわれから一度抜け出すことが必要。
今日から北海道に行きます!
わーい。昆布の漁師さんに会ってきまーす。
カビと無縁の北海道。うれしい・・。




チャイナキッチンマオマオの夜のコース。
はじめてお願いしてみました。くみさんのごはんは「満ちる」。
パクチーいっぱいで元気でた!