先週の日曜日、少し時間があったので大阪日本民芸館(万博の中)でやっている「自然布」の展示を見てきました。
民芸がいつからか好きになって、5年前くらいに東京の日本民芸館に行った時、刺し子とカンタ(インドの刺繍)の展示に感動して、暮らしの中にあるものの美しさにどっぷり。
あの展示を見て涙が出る人はそういないと思うんですけど、母親が子どものことを想って、夜なべしてひと針ひと針縫っている姿を思うととても泣けてきました。
もののない時代、手間をかけてあるものでできる限りのことをして暮らしていた人たちの暮らし。
今はものは溢れているけど、美しいものがないなぁと思ったりします。
「自然布」というのは、木綿以前のもの。
楮(こうぞ)や藤、葛、大麻などの繊維で作られた布のことです。
外皮は固いのではいで、中の繊維を煮たり叩いたりして柔らかくして、その繊維を1本1本つないで糸にして織る。本当にすごい労力が必要です。
織ってから、それを服に仕立てるのも。
ちょうど伺った日は、学芸員さんのギャラリートークがあって、それを聞いたらまた一段と布の素晴らしさが増して。
ご興味ある方はぜひ。
先月、ずっと行きたかった「河合寛次郎記念館」にも行けました。
こちらも素敵でしたよ。
ちいさな資料館ですが、友人と行って気づいたら2時間あっという間でした。
寛ちゃんの小さいころのエピソードに笑い転げたり、きゅんとくるポイントを何度も行ったり来たりして。
その後、何を見ても薄っぺらい感じがしていて、その時から美しいものってないなぁと思っていたけど、それにも増して美しいと思ったのは山のみどりと花の色。
それに勝るものなし。
私たちがいちばん大切にしないといけないものは何かって、答えはちゃんと出ている気がします。
